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新しい命・過ぎ去った命

先ほどから、時折 ミー・ミーと未だ生まれて日の浅いだろう仔猫の声が聞こえている。
気になって表に出てみたが、隣の家との塀の陰から声が聞こえるばかりだった。


実は、飼い猫のタマが6月の終わりに突然死んだのだ。

その日は梅雨の合間のとても暑い日で、親族の本葬があったので朝から出かけなければ
ならなかった。タマの生きている姿を見たのは、その出かけ際だった。
いつものようにゆったりと庭でくつろいでいるタマに「行ってくるね。」と挨拶した。

すっかり日も落ちて、玄関の明かりも欲しい頃に帰宅した時には、いつも出迎えてくれるタマ
が見えなかった。それでも、夜遊びにいったころだろう・・と気にも留めなかったし、何も気には
ならなかった。

それがもう日付も変わろうとした頃、ふっと覗いたドアの先にあるタロウの小屋の横に タマの
横たわった姿があった。

10分ほど前にそこを通った時は、たしかに何も目にはとまらなかったのに・・。

どんなことがあったのか、私には皆目検討もつかなかったが、タマは既に死んでいた。

悲しさよりも驚きの方が先にたってしまって、しばらくタマのそばにうずくまってしまった。
そして、「きれいね~~」と褒められることが何よりもお気に入りだったタマの姿を思っていた。

ただひとつ「猫は(死ぬ時に)自分の家に帰ってくる」と聞いたことがあったように思い出して、
タロウの小屋がタマの家だったのかしら・・と、せめて行方知らずのままの別れでなかったこと
が有難かった。

本当に美しいメスの三毛猫だった。
それから、いつもどこかでタマの居ない不足感が 庭を味気なく感じさせるような気がしている。

ミーミーと鳴いていた仔猫の声がいつの間にかなくなってしまった。
母猫が子供達をどこかへ運ぶ途中の泣き声だったのだろう・・。

新しい命は、不思議と過ぎ去った命を思い出させてくれるのだな・・そう思った。
                                      2005.08.02
by rolferK | 2005-08-02 02:53

主婦からRolferとして人生再建して18年経過。からだのこと・・そして、マイペースに思いつくまま・・。


by rolferK
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