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もう一度、映画「宇宙戦争」

7月に初トラバでいただいた映画評といい、その他のかたがたの大方の映画評といい、
制作費のワリに「イマイチ」ということなんですね。


私も正直、「繰り返し見よう・・」とは思いませんが、ただ皆さん方の評をそのままウンウンと
うなずくばかりにはなれない自分が、ズ~~っといました。
そんなわけで、いつもどこかで「なんかが足りない・・・」って思い続けておりまして、ようやく
今日になってハタと「今なり」の理解ができましたので、一応ご報告まで・・・です。


H・G・ウェルズの原作を読んでいませんから 大きな口はたたけないのですが、自分の勘を
信じれば、この原作者さんはすごいお人ですよ!
たぶん、昔なら「偉大なる予言者」として伝えられるべき御仁であろうかと感じます。
例えば、ノストラダムスさんとか、出口大仁三郎さんとか・・・そういった大御所と将来的には
並べられるかもしれません。


「予言」の一番難しいところは、「3次元的時間の制約」というあたりだと思いますが・・なんせ
予言の発信源である「あの世・4次元以降」に「3次元的時間」は存在しないということですか
ら、あの世では前後関係として確かな事象でも、この世の何年・何月となると、スペース
シャトルからダーツを投げて的に当てるようなもんじゃないでしょうか・・?
確率的に0ではないけれど、きわめて難しいもののはずです。


ですから、イイニツケアシキニツケ予言は非常に抽象的(例えば、詩とか)な表現をとることが
多いわけですよね。
なんせ皆が注目する予言ほど、内容の如何に関わらず、はずれれば嘘つき呼ばわりされて
時代によっては処刑ものですから・・・。


ただH・G・ウェルズさんがそうした先輩がたよりもズ~~っと得をしているのは、時代的に
宗教的閉鎖が解かれ、科学技術が進み、学校教育によって学問的知識が普及したために
SFというジャンルが現れて世論の賞賛を得ることができた・・ということです。
どんな独裁者であっても、結局世論というか人心というか・・そうしたマス的なエネルギーを
無視すれば「諸行無常」で「盛者必衰の理」の波間に沈むわけですから。


彼の作品が難解と感じられるのは、彼が純粋なる「SF作家」ではなくて、「SF作家という形態
をかりた予言者」であったからだというのが、私の独断です。
ですから、読者へのサービス精神より「予言者」としての使命感のほうがデカイわけで、
それで「よくわかんな~~い」「いまいち・・!」と、エンタメ当たり前時代に育った私らには
感じられてしまうんじゃぁないでしょうか・・・ね。


「預言者」と「予言者」の違いは、勿論字が違うわけですけれど、本質的に「神からの言葉を
預かる者」と「(神の存在に気づかせるために)神の宇宙に流れる情報を予め語る者」といった
内容の違いがあると考えています。
ですからキリスト教的にいえば、イエスやヨハネは預言者で、ノストラダムスは予言者です。


ちょっと回り道しましたが、この「H・G・ウェルズ予言者説」を仮定して考えてみると、「宇宙
戦争」の読み方もガラリ(それほどでもないか・・)と変わってくるんじゃぁないでしょうか・・?


で、いよいよ「もう一度・宇宙戦争」の感想文です。
「え、まだヤルの・・?」とおっしゃらずに、あともうチョットですから・・。


この映画の主人公は多分「人類」と「地球意識」の2枚重ね・・ということでしょう。
で、「人類」を代表するトム・クルーズ親子の「肉親愛・親子愛」が縦軸ですが、しょっぱな
から「地球意識」を代表して「微生物」がクローズアップされて、そのまま伏線でず~~っと
横軸に存在しています。

ネタをばらすのはいけませんが、推測ですから許してね。


私たちは、縦軸の「人類対宇宙人の戦争」に目を奪われているわけですが、なんせ戦争です
から善人・悪人関係なく(主人公達は別扱いですけど・・)死者が出ます。

普通これだけ盛り上げたら、「人類による、人類の救出劇」に終わるのが当然だろう・・と
あるいはSFなんだから、「人類の愛情がスーパーマン化して、ヒーローが現れる」という展開
も、水戸ご老公の印籠効果で胸がスッキリするもんです。


でも、たぶん「予言者・ウェルズ氏」はそうは問屋をおろさなかった。で、「つまんない」といわ
れることに甘んじた・・のだと信じています。


つまり、「地球」はただの土やら色んな元素の集合体(肉体)だけじゃぁないのよ!
まず「地球は意識体」であり、そこには「地球に繁栄するべき存在」をジャッジする機能が
備わっているんだぞ!
そしてその「繁栄」できるかできないか・・をジャッジする基準こそ「LOVE・愛」なんだぞ!
ただの「繁殖欲」をもって地球に繁栄しようなんて、地球開闢以来許されないのよ!

という、力強いメッセージが伝わってきません・・?
私には伝わってきたんですけど・・・。


結局、「愛の★・地球」に愛され、存在を喜ばれるものだけが、地上の繁栄を許される・・。
だから、どんなことがあっても・もうダメダと思っても、最後まで「愛すること」を捨てては
いけない!よと、SF作家に身をやつして 未来の来るべき(宇宙人が飛来する)時に生きて
いるはずの人類にむけ、声を大に叫んでくださったのではないでしょうか?


実際もし宇宙戦争が現実にあって、その中で「ヒーローの出現を待つ」のは、今から2千年
前に救世主の出現を待ちわびていたユダヤの民と同じ過ちを犯すのではないでしょうか?
イエスを十字架に掛け、処刑に手を汚したのは確かにローマ人だったけど、待ちわびたはず
の救世主イエスが自分達ユダヤ人のヒーローでない(つまり全人類の救世主)とわかって、
総スカンをくわせたのは他ならぬユダヤの民だったでしょう。


つまり「ヒーロー・超人出現願望」の裏には、自分達の思い通りにしたい欲望が横たわってい
る可能性もムシできないし、窮地に追われれば追われるほど「欲望は成長する」はずだから
そんなら初めっから「ヒーロー・超人」をあてにしないで、自分達の出来ることをコツコツ頑張る
人間の未来の方が明るいよ!!と励ましていただいているものと思います。


あ、最後に映画・「宇宙戦争」における「大阪」への賞賛は、うれしかったです。
広い地球も、地域地域の私らひとりひとりの集合ですから。大阪の未来は明るい!

2005.08.05
by rolferK | 2005-08-05 20:03 | 映画・音楽・書籍

主婦からRolferとして人生再建して18年経過。からだのこと・・そして、マイペースに思いつくまま・・。


by rolferK
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