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Boulderで感じてきた事~「感じ取る力」の実力・・?

こうして向っているパソコンの画面の向こうの右側に、Boulderにいた2004年の5月に
Boulderで感じてきた事~「感じ取る力」の実力・・?_d0065364_3252226.jpg友人が写してくれた写真をピンナップしました。

私にとって不足していると感じられる、右斜め上のキネスフィア(空間的方向性の感覚領域・・)をより広げようと思ったのです。
まっすぐに見ている画面の右斜め上に、その写真が同時に存在するよう「見ている」ことが
できるように・・・との試みです。

そうしているうちに、こんなことを思い出していました。

Boulderのロルフ研究所に最初に通った2003年6月当時クラスメートだった青年が、
私たちに”通訳”として同行・協力してくださっていたHさんにコッソリ尋ねた言葉です。
「ShinobuとRitsukoは、夫婦としてうまくやっているのかな~?」
彼は心の優しい、ユーモアにとんだ、でもしっかり者のイタリア系ハワイアンで、私たち夫婦の双方向的日常愛情表現の少なさ(と、彼は感じていたんですね)に対して
危機感をいだいて心配をしてくれていたのでした。

でもこの話は、それから約半年後にHさんから「あのとき・・」と聞かされましたから時効ですが。

そういえば、Boulder滞在中ずっと私たちと日常を共にしてくれていた大家のルーさんも
「日本の夫」をアメリカ式に再教育する事にとても熱心でした。
Shinobuの教育は私にまかせて!
と、いつも胸をはっていましたね。勿論喜んでお任せしていましたが、ルーさんお得意の「チェインジング・マインド」のせいで、なかなか教育はすすまなかったようです・・・?

そんなときにお知り合いになった「Boulder在住」の日本女性から、アメリカ・CU在学中の
エピソードをきいたときは、「やっぱり・・・。」と思った事を思い出します。
彼女がCU(コロラド大学)に通い始めた1年目、心理学のある講義の評価がF(落第)だったそうで、あまりの理不尽に彼女は教授にその理由を尋ねました。
すると、「あなたは、クラスのディスカッションに発言がなく、クラスに参加しているとは考えられない」という内容の返事でした。

彼女は、日本人として思考し、日本人の感性で参加し、日本人の行動様式で自己表現し、
その結果として「不必要な言動」を好まなかった・・だけなのです。
けれども、アメリカ人の常識は「自己を主張する」「自己の思い・考えを形に表す」が最低限
の評価対象になるのです。
たとえそれが、その場にまったく不釣合いな・不必要な内容であっても、「私は今~~思う」
と述べない限り、その無言の奥に「思考がある」ことを認めてはもらえないのです。

日本人は『寡黙』という美徳をとても重んじます。(私には、程遠い徳ですが・・・)

アメリカ人も日本人の『寡黙の美徳』にとても強く惹かれています。が、それは外人の美徳
であって、いざ自分達の世界に受け入れたものには『寡黙』は通用しなくなってしまうの
でしょう。

「表現」として「外」に現れてこないものは「無い」という「事実」でしかないのです。
あえて表現のないところに、「表現し得ないほどの多くを感じ取る力」・・・もしかしたら、
そうした力が養われる文化が育っていないのかもしれません。

現れた「事実」の奥にある、隠れた「真実」を、あたりまえのように「感じとる力」。
長く日本の夫婦のあいだに育まれた「阿吽の呼吸」のような理解の世界。
・・・そんな世界は、彼らにはなんとも理解しがたい世界でしかないのでしょうね。

そう考えると、彼らが常に「夫婦」である事を確認したがる行動が、何故出てくるのかが
理解できるように感じます。(言葉は悪いのですが・・少し鈍感・・・な文化なのですね)

Boulderに出てみて、かえって表現における「日本らしさ」の「奥行きの豊かさ」にふれた
出来事でした。
溢れんばかりの思索の中から簡潔にきりとった言葉で表す「俳句」や「和歌」、墨のにじみ
やぼかしのなかに存在を感じる「日本画」や「書」、間口が狭くて、奥が深い・・「京都の
町屋」とか、小さなニジリ口から入る「茶室」のような、そうした空間的表現が日本の文化で
あるのは、何事にも通じているのでしょう。
by rolferK | 2006-06-10 03:26 | Boulder

主婦からRolferとして人生再建して18年経過。からだのこと・・そして、マイペースに思いつくまま・・。


by rolferK
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