2016年 08月 28日
夜香木 ~夏の贅沢~
もしその香りがなければ、花とも気づくことのないような小さな花から、
普段慣れた道すがらにふっと香りだけが漂ってきて、
その香りをたずねて花に辿り着く楽しさが好きです。
私の子供のころなら、早春の「黄梅・オウバイ」、
春の「沈丁花・ジンチョウゲ」、秋の「木犀・モクセイ」、
冬の「柊・ヒイラギ」でした。
夏が抜けてしまっていたのは、夕暮れの不忍池の縁日に並ぶ
「くちなし」のその白く大きな花と強く甘い香りが、
私にとっての”夏の香り”だったからです。
それが「夜香木・ヤコウボク」を知って、
十数年ほど前から”夏の香り”が増えました。
毎年8月の夜になると、40歳を過ぎた頃に何かで読んだ
花の記事が忘れられずに数年探し求めて、
ようやく苗が届いたときの嬉しさを思い出してしまいます。
今夜も、窓際に置いた鉢植えから溢れた”静かで深い甘さ”が沁みこんできて、
いつもの空間が一息ごとにどこか遠くの異国にいるような心地に包まれます。
夏の夜だけの贅沢・・・です。
娘が見つけた”夜香木のフレグランス”は、
石垣島の方々が立ちあげた新規事業で開発された”オードパルファム”でした。
http://nuchigafu.jp/lp/perfume/
生きた夜香木の香りにかなうものはないでしょうけれど、
そのフレグランスの届く日を楽しみに待っているところです。
そして・・2017年4月のKonaの夜も、
きっと香りを辿ってそぞろ歩く楽しみが待っていてくれるはずです。