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絵本・「くまさぶろう」~なんでも盗むドロボウの話

子供のころから憧れていた「表現し、伝える世界」。d0065364_10445936.gif

大学の頃は、自分の専攻をそっちのけに(専攻の皆様にはご迷惑をおかけして・・)、随分と
あちこちのクラスに首をつっこんでは、楽しい時間を過ごしました。

その一つが児童学科の「児童文学・絵本」でした。
その講義の一つをもたれていたのが、エリック・カール作品の翻訳や、「ちいさな黄色いかさ」
「つきがみていたはなし」「やぎさんのひっこし」等で知られる「もり ひさし」先生でした。
初めてお会いしたのが3年生、次の4年生のときも単位そっちのけで講義を受講した、自称
「おっかけ」でした。
そして、今でも心だけは「おっかけ」のまま、先生にはなにもお返しできないまま、
日が過ぎています。

「昔はね、旅館に泊まるときに宿帳ってあったでしょう。あれには絵本作家なんて、
恥かしくて書けなかったよね・・、僕ら。なんの地位もなかったから。でも、それがよかった
・・・皆がすごく熱かった・・。」
そんなお話をされるときの先生のお顔が好きでした。

そしてもうひとつ、先生から「りっちゃん。」とよばれるのも、本当にうれしかったのです。

いつだったか、「これ、りっちゃんが出てくる本・・ね。」といって頂いたのが、この「くまさぶろ
う」でした。ユノ セイイチさんのリトグラフの画面が、とても力強く印象的です。
(本当は、先生の昔の教え子のりっちゃんですが・・。)
けれども、リトグラフゆえに原版が擦り切れて、今この版は絶版になっていると思います。
(10年以上あとに、絵を書き直したものが出ました・・・)

なんでも盗む・ドロボウの名人「くまさぶろう」がたどりつく「楽しみ」は、人の「苦しみや
悲しみ」を盗み取ること。そして、喜びや希望を取り戻す人々を見ること。

最後のページに描かれたのは、ユノさんがお住まいだった横浜の町だったと
記憶しますが、だれの心の中にもある風景で、本当にもしかしたら自分の家の
すぐ近くまで「くまさぶろう」が来ているような気さえします。

まだ出会っていない子供と大人のために、いつか、この初版の形で復刊されることを
心から願っています。
          *****     *****     *****
絵本にとって「絵のちから」をとても痛感した作品です。全く同じ作家が作っても、
作品としては全く別なエネルギーであるように思われます。初版の力強さを 
今の子供たちに届けたいです。

「くまさぶろう」の最後につづく町並みの、 どれか一軒が「私の家」のような気がします・・。
by rolferK | 2005-10-02 10:55 | 映画・音楽・書籍

主婦からRolferとして人生再建して15年経過。からだのこと・・そして、マイペースに思いつくまま・・。


by rolferK
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