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プライス・コレクション~伊藤若冲と江戸絵画展

昨日、不思議な事に・・・
プライス・コレクション~伊藤若冲と江戸絵画展_d0065364_2173577.jpg同日のセッションが複数キャンセルになり、ポっと時間が空きました。

Rolfingセッションで得られる喜びはとても大きく・深いものですが、
京都で開催されている(11月5日まで)「プライス・コレクション
~伊藤若冲と江戸絵画展」にいきたい・・・・・と願っていたのです。

早速、娘を誘って京都・近代美術館(三条・岡崎公園内)にいってきました。

平日とはいえ、秋の京都はどことなく”モミジ”を求めてか・・・人の多いように感じます。

「伊藤若冲」をいつごろ知ったのか・・記憶にはありませんが、そう昔の事では
無いはずです。
子供の頃から絵画が好きで、沢山の美術館や展覧会に出かけることのできる
環境にも恵まれていましたが、「若冲」の名を聞いた記憶がありません。

それなのに、いつの間にか・・・是非”観たい”と思っていたのは、
豊かな情報のお陰でしょう。

”若冲”は京都・錦市場の青物問屋の長男・・・といっても、当時の”問屋”は
市場の場所代を管理するような立場だったようですから、八百屋ではないのです。
長じて、それらの仕事を弟に譲ると画業に専念したそうです。

それからの彼の生き様に強く惹かれます。

徹底した「写実」への信念が、様々なエピソードを残していますが、
”鶏”を描くために、何十羽という鶏を庭先で飼っていた話は有名です。

そういえば、鏑木清隆も心に留まった猫を借り受けてまで共に暮らして「猫」を
描いていますし、孔雀や雉などを飼育したという画家の話は幾度か聞いたことが
あります。
彫刻家では「連獅子」を彫るために、モデルの歌舞伎役者の衣装をとって
その肉体のありようを「写実」した話もあります。
プライス・コレクション~伊藤若冲と江戸絵画展_d0065364_21101660.jpg
いずれも画家や彫刻家が見ようとしたものは、その表面の姿ではなく、
そのものの「存在から生まれる表現」を喝破しようとしているのでしょう。

そうした「存在から生まれる表現」を自らの感覚に染ませてしまえば、
そこに現実の存在がいなくとも、そして現実にそのような姿を現さなくとも
「心の欲するところに従いて、律を越えず」の自由な創造性を謳歌するに至るのでしょう。

少なくとも若冲は、仏教で言うところの「観自在」の世界を「本質を喝破する観察眼」に
よって垣間見ようとしていたようにも思います。

極彩色で密に描きこまれた作品の印象がとても強かっただけに、
若冲の水墨画やノビノビとしたデッサンやクロッキーのような趣のある墨一色の作品は
かえって心に深く残ります。
プライス・コレクション~伊藤若冲と江戸絵画展_d0065364_21111764.jpg
例えば「鶴」の姿が、たった一瞬の若冲の筆から「生まれる」その瞬間に
リアルタイムで立ち会っているような・・・・そんなときめきを感じるのです。

そして「芭蕉」の前に立ったとき、芭蕉の描かれている掛け軸の向こうに南洋の陽射しの
明るさや暖かさを確かに感じていました。

奄美の自然を描いた画家・田中一村の作品がもつ陽光と同じ・・・・・そんな明るさでした。

芭蕉という存在自体が、自らの生まれ育つ「環境」をも若冲に描かせたのだと、感じています。

ロルフ・ムーブメントがいつも働きかけようとする「自己存在」の世界が、
形を経由して「描かれた」ものなのだと、妙に納得して帰宅しました。
*****
ブログにリンクしてくださっている、KASUMIさん、M岡さん。
私も若冲展に間に合いました!
国立博物館の「京焼き展」で、乾山の焼き物も堪能してきました!!

ところで、プライス・コレクションの一双の「紅梅・白梅図屏風」(作者不詳)を
覚えていらっしゃいますか?
あの前に立つと、なんとも穏やかで・華やいだ初春の心もちになるのが嬉しくて。
あれなら、お家にもって帰ってもいいな~~~と思いました。
by rolferK | 2006-11-03 21:18 | 季節・ガーデニング

主婦からRolferとして人生再建して18年経過。からだのこと・・そして、マイペースに思いつくまま・・。


by rolferK
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